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米国個人所得税確定申告シリーズ- (5)  クレジット

02.18.2022 | カテゴリー, Tax

  1. Child Tax Credit(子女税額控除) 

2021年3月11日に成立した「 American Rescue Plan Act of 2021(米国救済計画法)」によりChild Tax Creditが増額になり、20217月より12月まで毎月Child Tax Creditの最高50%の金額の前払いが実施されましたなお、対象となる子供は、Social Security Number を保持していることが条件となります。Child Tax Creditの対象とはなるものの前払いを受け取らなかったというような場合には、2021年確定申告書上で調整することが可能です。 

2020年度のChild Tax Creditは、17歳未満の子供1人につき最大$2000でしたが、2021年度は6歳未満の子供1人あたり最高$3600、6〜17歳の子供には最高$3,000まで認められます 

     
控除額  17歳未満の子女: $2,000  6歳未満の子女:$3,600 

18歳未満の子女:$3,000 

還付可能な額  $1,400  全額 
所得制限  夫婦合算申告:$400,000 

夫婦個別申告:$200,000 

を超えると減額開始 

$2,000を超える増額分については、 

夫婦合算申告:$150,000 

夫婦個別申告:$75,000 

を超えると減額開始。$1,000 の増加につき$50減少。  

$2,000については、昨年同様の減額が適用 

前払い  なし  7/15/2021から12月まで順次半額が前払い、残りの半額は2021年確定申告書で申請 

 

Child Tax Credit を前払いで受給した場合には、2021年度確定申告書上でその内容を報告する必要がありますので、注意が必要です。 

       2. Recovery Rebate Credit 

2020年はコロナが蔓延し、世界中の人々の生活が大きく変わりました。米国政府は米国市民または居住者に生活支援ための給付金 “Economy Impact Payment”2020中に2、2021年入ってから3回目の支給を行いました。2021年4月の第3回目の給付金を受給の権利はあるものの受け取らなかった、また受給額が本来受給できる金額より少なかった場合は昨年同様に2021年度確定申告書上でクレジットを請求することができます。3回目は多くの方がDebit Card での支給となりました。これは経済効果への期待によるものと言えます。 

3回目の受給額は一人あたり$1,400(夫婦合算申告の場合は$2,800)、条件を満たした扶養家族にも一人あたり$1,400が支給されます 

なお、受給条件となる調整後の総収入(AGI)は以下となります 

  • 夫婦合算の場合:$150,000まで満額支給、これを超えると減額が開始され$160,000を超えると支給なし 
  • 世帯主の場合:$112,500まで満額支給、$120,000を超えると支給なし 
  • 独身者の場合:$75,000まで満額支給、 $80,000を超えると支給なし 

 

ただし、Social Security Number の所持が条件に含まれますので、夫婦合算でも配偶者がITIN(納税者番号)を所持している場合は一人分$1,400しか対象となりません。 

給付金は2019年の確定申告の内容をもとに支給されていますので、日本への帰国者に支給されているケースが数多く発生しています。その場合はIRSに返却が必要になりますので、下記のIRSのウェブサイトを参考に対応してください。 

https://www.irs.gov/newsroom/questions-and-answers-about-the-first-economic-impact-payment-topic-a-eligibility 

     3. Foreign Tax Credit (外国税額控除 

税法上米国居住者となる場合、米国のみならず全世界所得が連邦所得税の課税対象となり、日本の所得税の課税対象となる日本の国内源泉所得についても米国で課税されるために、2重に課税されます。日本居住者も同様に、米国源泉所得に対して、日本と米国で2重に課税対象となります。 

この2重課税を回避するために、外国税額控除が可能となっています。米国個人税申告書上ではForm 1116にて、海外で発生した所得と税金を報告することにより税額の全額または一部の控除が認められます。その年税額控除が全額認められない場合には、外国税額は繰戻1年、繰越については10年まで認められます。 

外国税額控除は、外国課税所得の全課税所得に対する割合を米国所得税額に掛け合わせた額で認められます。 

対象となる外国源泉所得としては、利息、配当、キャピタルゲイン、家賃収入、給与所得などが挙げられます。 

 

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