06.24.2022 | カテゴリー, Tax
Internal Revenue Serviceの申告書処理状況
Internal Revenue Service(内国歳入庁、以下“IRS”)は未処理となっている申告書について年末までに処理する意向を示しています。しかし、未処理の申告書は山積しており、4月末時点での未処理の申告書は、2021年および2022年にIRSが受領した、紙による郵送での個人税務申告書が670万件、個人税務修正申告書(Form 1040-X)が230万件、給与税申告書(Form 941)が250万件(こちらは主に、既に制度の対象期間が終了している従業員雇用維持を目的とした制度であったEmployee Retention tax creditに関係した内容での申告書が該当)、およびその他、と報告されています。
紙による郵送での個人税務申告においては還付金が戻るまでに非常に長い待ち時間が生じています。National Taxpayer Advocate (国家納税者擁護官: IRS内の独立した組織にて、納税者に代わり納税者が抱えるIRSとの問題解決にあたるサービスを行う納税者擁護局のトップにあるのが、国家納税者擁護官)によると、待ち時間は少なくとも6カ月であると言われています。
IRSによる処理の遅延問題における朗報としては、IRSは未開封の郵便物の処理については対応ができているとのことです。未開封の郵便物は30万通とのことですが、これは通常時の1日当たりの典型的な未開封郵便物の件数とのことです。
還付金の遅延に対する利息
個人への還付金の遅延に対し加算される利息の支払い額は過去数年において急増しました。通常、IRSが還付金に対しての利息の支払いを開始するまでには45日間の待期期間が設けられています。2019年、IRSは個人納税者に10億ドル以上の利息を支払いました。個人納税者への利息額は2020年には14憶ドル、2021年には18億6千万ドルと急増しています。IRSは過去より、還付金に対する利息の支払い理由についてのモニタリングを行っておらず、また、現時点でも特にモニタリングの予定はないとのことです。
”Where’s My Refund”サイト
IRSの”Where’s My Refund”サイトの機能にうんざりされている方も多いかと思われますが、残念ながら納税者はこのサイトを使い続けるしかないようです。 IRSは還付を待つ個人税務申告者に対し、”Where’s My Refund”サイトにて還付状況についてのアップデートを確認するよう案内をしています。しかし、このサイトの機能は限られており、このサイトではIRSが申告書を受領し、そしてまだ処理中であるか、還付が承認されたか、そして還付が納税者に送付されたか、ということしか表示されません。例えば、計算間違いや、その他の理由により処理が中断されているか等については、このサイトからは状況が分かりません。IRSのこの情報量に欠けるサイト表示にいら立つ納税者もいるかと思われますが、”Where’s My Refund”サイトをチェックし続けたところで、申告書が受領された、もしくは処理中である、という表示のみをを何カ月も見続けるしかできないことがあります。2018年の時点では納税者の55%がこのサイトでの情報の有用性に満足していましたが、現在では約24%しかこのサイトの機能が役立つとは評価していません。IRSは財源不足を理由に、サイトの機能の最新化の予定は無しとしています。