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Hobby losses(ホビーロス)

09.27.2024 | カテゴリー, Tax

申告書でホビーロスを申告すると、目立ってしまい、audit の対象になる確率が上がります。Internal Revenue Service(内国歳入庁、 以下“IRS”)は、個人所得税申告書 Form1040の個人事業の収入と経費を報告するSchedule C の上で、ホビーと考えられる活動からの多額のロスを、賃金、事業からの収入、その他の収入と、何年にもわたって相殺している納税者を探そうとしています。

ホビーからの収入は課税所得ですが、かかった費用は控除できません。ホビーロスを含め、Adjusted Gross Income(AGI)の2%を超える額を対象としたその他個別控除は、2017年の税法により2025 年まで一時的に停止されています。

Schedule Cのロスを控除するには、活動が事業であることを示さなくてはなりません。活動はビジネスライクな方法で行われ、規則性と継続性があり、納税者は、活動について合理的で誠実な営利目的を持っている必要があります。IRSの規則はセーフハーバー(安全港。あらかじめ定められた一定の基準や要件を満たしている限り法令違反とはならないとされる範囲のこと)を提供しています。連続する5年のうち3年(馬の繁殖業では7年のうち2年)は利益を出していれば、IRSの反証がない限り、収益を生み出すビジネスに従事しているとみなされます。セーフハーバーの条件を満たさない場合は、ホビーか事業かの判断が難しくなります。ホビーもしくは事業に適切に分類されているかの判断は、個々の事実と状況によるためです。

IRSと裁判所は9つの要因を検証します。納税者と、関連するアドバイザーの専門知識、活動の実施方法、活動に費やす時間と労力、活動に使用する資産価値の上昇の可能性、これまでの収益と損失の状況、過去の利益の発生の有無、その活動以外からの収入の状況、個人的な娯楽、リクリエーションの要素です。また、賃金などその他の主要な収入源の有無も検証されます。

単一の要因により決定されるわけではありませんが、より重視される要因もあります。例えば、ビジネスライクな方法で活動が行われている場合は、これまでのところロスが続いていたとしても、その活動から利益を上げようとしている真剣な姿勢を示すのにあたってはとても有効です。これはあなたがコントロールできる要因です。利益追求を目的とすることを示すことができる、納税者自身がコントロールできる要因としては、他に、その活動を行う知識を持っていて訓練を受けていること、熟練していること、もしくは信頼できる同じ業種のエキスパートのアドバイスを受けられること、そして時間と労力を費やしていること、があります。

租税裁判所では、ホビーロスの規則に関連した訴訟が頻繁に発生します。勝訴の見込みがないケースは和解に持ち込まれることが多いためということもありますが、通常はIRSが勝訴します。

裁判所が、ある作家の活動が営利目的の事業ではなくホビーだと裁定し、Schedule Cのロスを否認したケースがあります。このケースで作家側に不利に働いた要因として、事業プランが存在しなかったこと、適切な記録保持がされていなかったこと、ほとんどの経費について立証できなかったこと、があります。2022 年にかろうじて利益を出すまで、30 年にわたり多額のロスを出していました。また多くの時間を活動に費やしていたことを立証できませんでした。事業の運営について専門家の意見を求めていませんでした。この作家とその夫には、賃金を主とするその他の収入源がありました。裁判所はSchedule Cのロスを否認し、さらに、IRSが課した20%の正確性に関する過失に対するペナルティを支持しました。

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