09.16.2022 | カテゴリー, Tax
米国内国歳入庁(Internal Revenue Service)と米国司法省(The U.S. Department of Justice)は、未報告の外国金融口座を積極的に調査しており、前年のいずれかの時点で総額が 10,000 ドルを超えた場合、米国の口座所有者に毎年期限までに報告するよう促す努力を重ねてきています。
2021 年の外国金融口座を報告していない場合でも、まだ報告することができます。外国金融口座を報告するためのFinCEN(金融犯罪取締ネットワーク)フォーム 114 は電子的に提出する必要があり、 2022年4 月 18 日の期限に間に合わなかった場合、自動的に 同年10 月 17 日まで延長され、それまでに当該フォームを提出する必要があります。
報告を怠ったり不正確な申告をした場合の罰則は非常に厳しく、故意でない違反に対しては1件当たり 1 万ドル、故意と認められる違反に対しては100,000 ドルもしくは当該口座の最高残高の 50% のいずれか大きい方の罰金が科されます。特に複数の口座や複数の年の未報告が関係している場合はさらに厳しいものになる可能性があります。
提出された外国金融口座報告において一つの口座の報告を怠ったことが故意と認められ罰金が科された事例で、控訴裁判所はある米国市民に対して 976,000 ドルの罰金を科すことを支持する判断を下しました。この米国市民は スイスに二つの口座を保有しており、会計士から法律に違反していると指摘されていたにもかかわらず、長年報告を怠っていました。最終的に 2008 年に 外国金融口座報告を提出し、一つの口座を報告しました。裁判所は故意(willfulness)という基準には無謀な行為(reckless conduct)を含むとし、報告ルールを無謀に無視したと判断しました。