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米国個人所得税確定申告シリーズ- (2) 概算額控除・項目別控除

01.21.2022 | カテゴリー, Tax

 

確定申告においては、概算額控除(Standard Deduction)と項目別控除(Itemized Deduction)の2種類の控除方式のうちどちらか有利な方を選択することが認められています。

概算額控除は申告身分ごとに一定額を控除として申請するものです。控除額は毎年インフレ調整されますが、2021年度の控除額は以下のようになります。

夫婦合算申告:$25,100 (昨年比$300 増)

独身/夫婦個別申告:$12,550 (昨年比$150増)

特定世帯主:$18,800 (昨年比$150増)

65歳以上の既婚者は一人$1,350、独身者は$1,700の追加控除が認められています。

概算額控除が認められるのは税法上米国居住者となる納税者に限られるますので、赴任、帰任時や年間を通じて非居住者となるような場合には、概算額控除が認められず、項目別控除を適用することになります。

項目別控除は税法上経費として認められるものを積み上げていき、その合計額を様式ScheduleAに記入して控除をとる方式です。上記のように申告身分により概算額控除が認められない場合、夫婦個別申告をして一方の配偶者が項目別控除を選択した場合等においては概算額控除の選択が出来ず、項目別控除に限定されます。項目別控除の主なものは以下となります。

  • Medical and Dental Expenses ...医療費、歯科治療費等(調整後総収入額の7.5%を超える医療費、歯科治療費等)
  • State and Local Taxes ...州税、地方税、米国内固定資産税、動産税を含む(控除の限度額は、夫婦合算申告で最高$10,000まで、独身、夫婦個別申告の場合は$5,000までとなります)
  • Home Mortgage Interest ...住宅ローンの利息(通常$750,000までの住宅ローンの利子が控除可能)
  • Charitable Donations ...寄付($250以上の場合は慈善団体からの受領証が必要)
    2021年度申告においては、項目別控除を選択しない納税者にも、現金で連邦政府認定の慈善団体に寄付をした場合には、夫婦合算申告で$600まで、それ以外の申告身分においては、$300までの控除が認められます。
  • Casualty and Theft Losses ...連邦政府が認めた災害による損失
  • その他、ギャンブルの損失(賞金の範囲内)等も項目別控除として認められます。

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