08.20.2021 | カテゴリー, Tax
期限通りに申告したにも関わらず、2019年、2020年度の申告書の還付金をまだ受け取っていない状態ですか。
気休めになるかどうか分かりませんが、多くの人が同じ状況です。
本年6月25日時点で、手作業による処理が必要な1,670万件もの2019年と2020年度個人申告書が、まだInternal Revenue Service(内国歳入庁、以下 “IRS”)で未処理のままです。紙での申告もこの数に含まれています。電子処理中に何らかの理由で処理が進まず、更なる確認が必要なものもあります。残念ながら、この遅延に関して申告者や申告書作成者がどうすることも出来ません。
何故これほどまで処理がおくれているのでしょうか?ひとつには、コロナウィルスによる影響のため、IRSの多くの職員がテレワークを余儀なくされており、非効率になっているというがあります。もうひとつの理由は、IRSの人員不足と資金不足です。ここ10年間、議会は政府機関の予算を継続的に削減しており、その影響をうけてIRSの職員の数そのものが減少しています。
しかし希望はあります。IRSによると、紙で申告された2019年度のForm 1040の処理は、この夏には完了する見込みだそうです。ファイリングシーズン真っ只中に比べると、IRSに送られてくる新しい申告書も、少しずつ数が減ってきています。
IRSへ電話で問い合わせてようとしても、なかなか電話が繋がらず困った事はありませんか。
一つの理由として、IRSに掛かってくる電話の数そのものが多く、電話が繋がるまで時間がかかる、というのがあります。今年2021年のファイリングシーズンでは、個人申告書のフォーム1040を扱うサポートセンターへ掛かってきた電話の数は、8500万件にも及ぶそうです。2019年の730万件、 2020年度の1200万件と比べると、どれほど数が多いかが分かります。2021年に関しては、電話を掛けて実際にサポートセンターに繋がったのは、わずか3パーセントということです。
National Taxpayer Advocate(国家納税者擁護官:IRS改革法によって従来の納税者オンブズマン制度をより強化し、IRSか らの独立性を図った納税者擁護局(TAS)が創設された。そのTASのトップにあるのが、国家納税者擁護官)によると、大幅に電話の数が増えた要因はいくつかあり、2019年、 2020年度の申告書の還付金をまだ受け取っていない申告者が何度も電話を掛ける、というのがそのうちのひとつです。
受け取れるべきコロナウイルスの給付金を、まだ受け取れていない申告者による電話の問い合わせが殺到した、というのもあります。